音楽フェス観客の立ち小便で禁止薬物が河川に流入、希少なウナギ脅かす恐れ

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「グラストンベリー・フェスティバル」の参加者ら=2016年6月22日、英イングランド・サマセット/Ian Gavan/Getty Images

「グラストンベリー・フェスティバル」の参加者ら=2016年6月22日、英イングランド・サマセット/Ian Gavan/Getty Images

(CNN) 英イングランド南西部サマセットで開かれる音楽の祭典「グラストンベリー・フェスティバル」に関連して、観客の立ち小便を通じて禁止薬物が河川に流れ込み、野生生物を脅かす可能性があるという研究結果を、英バンガー大学の研究チームが発表した。

グラストンベリーは20万人以上の観客が集まる人気音楽フェスティバル。研究チームは同地のワーシーファームを流れるホワイトレイク川から、高濃度のコカインと合成麻薬MDMAを検出した。

調査の結果、2019年のフェスティバルの翌週、MDMAの濃度は4倍になり、コカインの濃度はこの川に生息するヨーロッパウナギの生態系に影響を与えるレベルに達していたことが判明した。ヨーロッパウナギは深刻な絶滅の危機にさらされている。

調査を率いたバンガー大学のクリスチャン・ダン教授は28日、CNNの取材に対し、禁止薬物の濃度は「環境破壊に分類されるほど高かった」と指摘した。ただし、グラストンベリー・フェスティバルが終わるとすぐに濃度は低下するとも言い添えた。

研究チームは前回19年のグラストンベリー・フェスティバル開催前後と開催中に、禁止薬物の濃度を測定した。

禁止薬物の濃度が高まる理由については、観客の立ち小便を通じて薬物が川に流れ込んでいると推定。従来のような汚染だけでなく、薬品や違法薬物による汚染を防止するためにも、立ち小便をさせないことの重要性が裏付けられたと強調している。

研究チームは近くを流れるレッドレイク川も調査したが、こちらはフェスティバルの前後で禁止薬物の濃度に目立った違いはなかった。

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