英エリザベス1世の顧問が使用した「霊視鏡」、アステカ起源と判明
(CNN) 英女王エリザベス1世の顧問、ジョン・ディーが16世紀に使用していた「霊視鏡」はアステカ文化の産物であったことが、新たな研究で明らかになった。大英博物館に所蔵されている黒曜石の鏡など4点を分析したところ、メキシコ由来のものと判明した。
ジョン・ディーはエリザベス1世が女王に即位した1558年から1570年代末まで顧問を務めた。占星術師として女王に仕えたほか、科学に関する相談相手にもなっていた。論文を執筆した英マンチェスター大のスチュアート・キャンベル教授によると、ディーは新天地発見のための航海や植民地の設立、航法の改善などを提言したという。
ジョン・ディーの肖像画/Ashmolean Museum/University of Oxford/Antiquity Publications Ltd
キャンベル氏はメールで、「ジョン・ディーは並外れた歴史上の人物といえる。天文学や錬金術、数学に関心を寄せたルネサンスの碩学(せきがく)で、エリザベス1世の相談相手になっていた」と説明。後年は占いやオカルトにかかわり、鏡や水晶を使う占い師を通じて天使に話しかけようと試みたこともあると指摘した。
黒曜石の鏡はアステカ文化の産物であると判明した/Stuart Campbell/Antiquity Publications Ltd
この鏡がアステカ文化のものであることは以前から疑われていたものの、どのような経緯でディーの所有物になったのかを示す記録はなかった。