伊カタコンベに埋葬された子どものミイラ40体超、英研究者らが本格調査へ
スクワイアーズ氏は、「彼らは中産階級の家庭出身だったであろうことを我々は分かっている。ミイラ化の儀礼は、貴族階級や中産階級、聖職者といった富裕な人々のために用意されていた」と説明。
「だから彼らが社会の最貧層ではないことは分かっているが、分かっていることはそれが全部だ」とし、「他の人と全く同じように埋葬されなかったのはなぜだろうか」と指摘した。
スタフォードシャー大学の報道向け資料によると研究チームは、人間の遺体に対する調査の場合と同じく、倫理的な配慮を怠らないように、遺体に手を入れない手法であるX線画像を活用するという。
スクワイアーズ氏は、「歯の生え具合や成長、骨の癒着に基づいて人々の年齢を推定すべく、レントゲン写真を撮影するため、携帯用のX線装置を利用する」と話し、病気の兆候も調べる予定だと付け加えた。研究者らは、子どもたちの生物学的な概要を把握し、ある年代や性別の遺体のみがミイラ化されたのかどうかを解明するためレントゲン写真を用いることになるという。
また同氏によると、ミイラ化はこの地下墓所で1599年ごろから20世紀初頭にかけて実施され、中産階級の人々から「死後も自身の社会的人格を存続させ続ける方法」と見なされていた。同氏および共同で調査を行う研究者は、地下墓所内にレントゲン技師2人とアーティスト1人を伴って、1週間ほどかけて死亡時の状況を調べる予定となっている。調査結果が公表されるのは数カ月後になると、同氏は語っている。