絶滅危機のサル、クロライオンタマリンの赤ちゃん誕生 英動物園
(CNN) 野生動物の保護と繁殖に取り組む英領チャネル諸島のジャージー動物園でこのほど、珍しいクロライオンタマリンの赤ちゃんが誕生した。
同動物園のツイートによると、赤ちゃんは雌で「グレース」と名付けられた。最初は母親にしがみつく力もなく、飼育員らが世話をした。「今は家族の下で元気に育っている」という。
クロライオンタマリンはライオンのようなたてがみが名前の由来だが、実際は南米原産の小さなサル。成長しても体重は450~900グラムほどにしかならない。臀(でん)部(ランプ)の鮮やかな色から、「ゴールデン・ランプ・タマリン」とも呼ばれる。
保護団体によると、1920年代には絶滅したとみられていたが、72年に再び発見された。森林破壊の影響で、野生に残っているのはわずか1600匹前後に減り、そのほとんどがブラジル南東部サンパウロ州の自然公園に集中している。
ジャージー動物園は90年に世界で初めてクロライオンタマリンの飼育下繁殖に成功した。動物園の担当者は、グレースが一生のうちに10~12匹の赤ちゃんを産むだろうと期待を寄せている。