NASA、UFO調査チームを設置へ 科学的見地からデータ収集
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は9日、未確認飛行物体(UFO)について調査するチームを設置すると明らかにした。
このチームは「航空機や既知の自然現象とは特定できない空の出来事」について、科学的見地からデータ収集に当たる。
NASAは安全保障と安全性の観点から未確認航空現象(UAP)に関心を寄せていると説明。UAPが地球外の起源を持つことを示す証拠はないとも述べた。調査は今秋から9カ月にわたって実施される見通しだという。
米首都ワシントンにあるNASA本部科学ミッション局のトーマス・ザブーケン氏は「科学発見のツールは強力であり、ここでも適用されると考えている」と述べた。
チームは米サイモンズ財団のトップを務める天体物理学者、デイビッド・スパーゲル氏が率いる。
NASAによると、UAPは観測例が限られており、そうした事象の性質について科学的結論を引き出すのは難しい。
スパーゲル氏は「観測回数の少なさを踏まえると、我々の最初の仕事はできる限り強力なデータセットを集めることになる」「市民や政府、非営利団体、企業にどのようなデータが存在するのか、他にどんなデータを収集すべきか、どのような分析方法が最善かを見極める方針だ」と述べた。
米議会では5月、UFOに関する公聴会が数十年ぶりに開催され、これまで公共政策で重視されてこなかった話題が脚光を浴びる機会となった。政府当局者はUAPは調査が必要であり、国家安全保障に対する潜在的脅威として真剣に扱われるべきだと警鐘を鳴らす。米情報機関が昨年公表したUAPに関する報告書は大きな注目を集めた。