米NASA、アルテミスIの打ち上げ延期 エンジンに問題
米フロリダ州ケネディ宇宙センター(CNN) 29日に予定されていた米航空宇宙局(NASA)の歴史的な月探査計画「アルテミスI」のロケット打ち上げが延期になった。4つのエンジンの一つに問題が生じ、打ち上げチームが対応できなかった。
ミッションの責任者、マイク・サラフィン氏は記者会見で「(今後の)選択肢がどのようなものになるか語るには時期尚早」として、情報やデータを収集する時間が必要だと説明した。「9回まで試合をするつもりだ。まだあきらめない」とも語った。
新型ロケット「SLS」と宇宙船「オリオン」を打ち上げ可能な次のタイミングは9月2日で、その後は5日となる。2日に実施できるかは試験の結果次第となる。
NASAは「コアステージ下部にあるRS25エンジンを打ち上げに適した温度範囲に収めるブリードテストがうまくいかず、2時間の発射可能時間を使い切った」と述べ、管制官が原因を評価中とした。
サラフィン氏によると、打ち上げチームはブリードテストが事前のシミュレーションを行う「ウェット・ドレス・リハーサル」に含まれておらず、リスクがあることを認識していた。
現時点で、問題はエンジン自体ではなく、エンジンの冷却に利用するブリードシステム内部にあったとみられている。
サラフィン氏は「エンジン始動時に内部を流れる冷たい燃料にショックを受けないようにエンジンを低温にする必要がある。評価には少し時間がかかる」と述べた。