米NASA、アルテミスIの打ち上げ延期 エンジンに問題
内部タンクの通気弁にも問題が発生し、こうした一連の問題から対応には時間が必要との結論に達した。打ち上げ時には降雨や落雷もあり、天候が原因で打ち上げ中止となった可能性もあった。
大きな修繕が必要な場合、対応に多くの時間を要したり、ロケットをケネディ宇宙センター内の建物に戻したりする可能性がある。建物に戻すには3日半かかる。
打ち上げチームはデータを収集し対応方法を見極めるため、ロケットを現在の設定のまま維持する。NASAの関係者によると、SLS、オリオンとも状態は安定している。
打ち上げを見ようとハリス副大統領夫妻が現地を訪問。延期が発表された後「こうした試みは貴重なデータを提供してくれる」「我々のアルテミス計画への姿勢は揺るがず、我々は月に戻る」などとツイートした。
NASAのネルソン長官も「適切な状態になるまで打ち上げをしない」と述べた。宇宙飛行士としてスペースシャトルの24回目の飛行に参加した同氏は、4回の打ち上げ延期の後の5回目でフライトを完遂した経験がある。「延期したどれか一つの回で打ち上げを行っていたら、いい日にはならなかったかもしれない」とも言い添えた。
打ち上げが成功すれば、オリオンは月に向かい、月を周遊後に地球に帰還する。42日間での飛行距離は210万キロに達し、サンディエゴ沖の太平洋に着水予定。今回は有人飛行ではなく、3体のマネキンとスヌーピーのぬいぐるみが搭乗し、宇宙放射線の被ばく量の計測などを行う。