「1日2杯以上の紅茶で長生き」の新たな研究結果 英データベースから

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紅茶をよく飲む習慣が死亡リスク低減につながるとの可能性を示す研究が発表された/Marcela Vieira/iStockphoto/Getty Images

紅茶をよく飲む習慣が死亡リスク低減につながるとの可能性を示す研究が発表された/Marcela Vieira/iStockphoto/Getty Images

(CNN) 1日に2杯以上の紅茶を飲む人はそうでない人に比べて、あらゆる原因による死亡リスクが低く、長生きする傾向があるとの研究結果が新たに発表された。

米国立がん研究所(NCI)の疫学者、マキ・イノウエ・チェ氏らの研究チームが、8月29日発行の内科学専門誌「アナルズ・オブ・インターナル・メディシン」で報告した。

チームは、英国で2006~10年に40~69歳の男女50万人の健康情報を収集した「UKバイオバンク」のデータベースを活用した。この中には、それぞれの参加者が紅茶を飲む頻度や、その際に砂糖やミルクを入れるかどうかなどの情報が含まれていた。

チームによると、参加者の中には紅茶を全く飲まない人もいたが、英国のデータだけに日常的に飲むと答えた人が多く、中には1日に10杯というケースもあった。

バイオバンクがその後約10年にわたって追跡した調査結果をみると、この間に紅茶を毎日2杯以上飲んでいた人は心血管疾患、特に心筋梗塞(こうそく)などの虚血性心疾患や脳卒中といった原因で亡くなった割合が小さいことが分かった。

一方でこの研究に参加していない米ハーバード大学医学部の専門家、ハワード・セッソ准教授は、紅茶を飲むグループと飲まないグループの間にはほかにも相違点があるため、今後さらに、無作為に分けたグループを比較する臨床試験が必要だと指摘している。

イノウエ・チェ氏らの研究によれば、紅茶に砂糖やミルクを加えて飲んでも、健康上の効果が大きく下がる傾向はみられなかった。ただし同氏は、一般に糖分やミルクに含まれる飽和脂肪酸は取り過ぎないよう制限する必要があると警告している。

同氏によると、紅茶が健康に良い理由はいくつか考えられる。がんや心臓病を防ぐとされる抗酸化物質などの生理活性成分が多く含まれている点も、そのひとつだ。

緑茶については、これまでに抗がん作用や認知症予防の効能が期待できるとの研究が多数発表されている。イノウエ・チェ氏は、紅茶と緑茶は同じ茶の木からつくられるにもかかわらず、前者の効能についての研究は少なかったと指摘。今回の研究だけを基に紅茶を飲み始めたり、飲む量を増やしたりすることを勧められる段階ではないと話す。

とはいえ、少なくともすでに紅茶を飲む習慣のある人は、安心して飲み続けることができそうだ。

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