希少種のシマウマ、過酷な干ばつで2%が死ぬ ゾウやラクダも犠牲に ケニア
干ばつに強いはずのラクダでさえも影響を受けている。難民支援団体の関係者によると、ケニアの砂漠にはラクダの死骸が散乱しているという。
ケニアでは過去4回の雨季に雨が降らない天候が続き、間もなく迎える次の雨季も降雨は期待できない。天気予報によると、年内は平年以上に乾燥した状態が続く見通しだ。
干ばつのため、さらに多くの絶滅危惧種が死ぬ恐れもある。ゾウ保護団体のフランク・ポープ氏は「次も雨が降らなければ、死ぬゾウが急増しかねない」と指摘。「群れが生き延びるために最小単位に分断されている」「子ゾウは見捨てられ、年老いたゾウは死んでいく。雨が降らなければほかのゾウもそれに続くだろう」と話した。
干ばつの影響で、食料目当ての密猟も深刻化した。北部の農村部では干ばつのために農家の収入源が減って密猟が増え、牧草保護区のグレビーシマウマが密猟されている地域もある。
「干ばつで牧草保護区に大量の家畜が集まったため、グレビーシマウマの密猟が増えた」と保護団体のマッキー氏は話す。「それが民族間衝突や密猟に結び付いている(動物が対立に巻き込まれることもある)。畜産農家は野生生物で生計を立てるしかなくなっている」