アザラシ2500頭が大量死、海岸に死骸漂着 ロシア南部カスピ海
(CNN) ロシア南部のカスピ海に面したダゲスタン共和国で、アザラシ約2500頭が海岸に打ち上げられて死んでいるのが見つかった。ロシア国営RIAノーボスチ通信が4日、地元当局者の話として伝えた。
死骸が見つかったカスピカイアザラシは、カスピ海に生息する唯一の哺乳類で、2008年に国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に分類された。
ダゲスタン共和国の天然資源省は、死骸の状態から判断して、死んだのは約2週間前だったと推定。乱暴されたり漁網に絡まったりした形跡はなく、「自然要因」で死に至ったとの見方を示した。
死んだアザラシの数はもっと多い可能性があり、当局が海岸の捜索を行うとともに、専門家が死骸を調べて死因の解明に当たっている。
保護団体によると、隣国カザフスタンでも今年に入り、カスピ海に面した海岸でカスピカイアザラシ140頭あまりが死んでいるのが見つかった。
IUCNによると、カスピカイアザラシは乱獲や生息地の減少、気候変動のために個体数が減少している。
ダゲスタン共和国は、同地に生息するカスピカイアザラシの個体数について、27万~30万頭の安定した状態を保っていると説明した。
RIAによると、カスピカイアザラシは主に魚を餌として、体長1.6メートル以上、体重100キロにまで成長する。食物連鎖の頂点にあり、自然環境で天敵は存在しない。