小説さながら? アガサ・クリスティの別荘で100人以上が立ち往生
ロンドン(CNN) 英ミステリー作家アガサ・クリスティの別荘「グリーンウェイ」を訪れた観光客ら100人あまりが倒木で道をふさがれ、数時間にわたって足止めされた。
グリーンウェイは英南西部デボン州の田園地帯にある。
14日にここを訪れていた女性から地元紙に、約100人が敷地内で立ち往生していると連絡が入った。
歴史的建築物の管理保護団体、英ナショナル・トラストはウェブサイトに、荒天でグリーンウェイへ通じる道路に大きな木が倒れたという案内を掲載。訪問客やスタッフ、ボランティア要員が出られなくなったため、全力で対応していると述べた。
連絡した女性の話によると、観光客らは別荘から無料で提供された紅茶を飲んだり、芝生の庭で木製の球を打つ「クロッケー」のゲームをしたりして時間を過ごしたという。
ナショナル・トラストによれば、かつてクリスティ自身もグリーンウェイの庭でクロッケーに興じたり、来客との会話で最新作の一部を紹介したりしていた。
この別荘は、クリスティの作品「死者のあやまち」の舞台になったことでも知られる。
SNS上には、デボン州の孤島の屋敷に招かれた男女ら10人が1人ずつ殺されていく代表作「そして誰もいなくなった」を連想した書き込みが相次いだ。「99、98、97」とカウントダウンしたり、観光客らに「今すぐ2人1組で安全確認を」と警戒を呼びかけたりするツイートもあった。
実際には地元救助チームの作業で道路が復旧し、全員が同日夜に脱出した。
ただしナショナル・トラストは15日、グリーンウェイは嵐で大きな被害を受けたため、引き続き閉鎖されるとの見通しを示した。