古代人の人骨、道具として使用するため掘り起こされていた 研究結果が示唆
(CNN) スペイン南部の洞窟で調査を行っていた研究者らが、古代人の埋葬人骨が後世の人々によって掘り起こされ、加工され、道具としても使用されていた証拠を発見した。
スイスのベルン大学の科学者らが率いる研究チームは、スペイン南部のグラナダ市近郊にあるマルモレス洞窟から出土した人骨を調査した。
調査の結果、紀元前5000年から紀元前2000年の間に埋葬された、少なくとも12体の人骨であることが判明。「骨髄やその他の組織を採取しようとした結果生じたと思われる骨折や擦り傷などがあり、死後、骨に意図的に手が加えられていた」と、9月20日に発表されたニュースリリースには記されている。
これに加え、脛骨(けいこつ)の一つは道具として使用するために加工されたようだ。
「まず脛骨が折られ、そのかけらの一端が何らかの物質を削るのに使われた」と、研究著者であるベルン大学の自然人類学研究員、マルコ・ミレラ氏は21日に電子メールで述べた。
研究者らによると、頭蓋骨(ずがいこつ)の周囲は、おそらく食事や実用的な用途に使われるため削られていたという。
こうした類いの人骨は「スカルカップス」として知られているが、必ずしも容器として使われていたことを意味するものではない、とミレラ氏は話している。
「今回の場合、頭蓋骨が加工されていたことが分かっている」「だが、いつものように文書による記録がないため、この行動の理由については、あらゆる説明をオープンにする必要がある」と同氏は述べている。