古代人の人骨、道具として使用するため掘り起こされていた 研究結果が示唆
研究チームは、頭蓋骨が加工されていたことは、先史時代にこの地域で「複雑な葬送行為」があったことを示唆していると付け加えている。
ミレラ氏は、今回の発見はこの地域の他の洞窟で発見された証拠と一致していると説明した。
「人骨に手を加えることは、この時代にはよく知られていたことで、同じ地域でも例がある。その意味で、マルモレス洞窟はこれらの文化の葬送行為について我々が把握していることと一致している」(ミレラ氏)
「非常に興味深いと思うのは、加工された骨の量のみならず葬儀のために洞窟が広く使われていたことだ」「これらの発見を総合すると、この洞窟が文化的に何世代にもわたって中心的な場であったことがうかがえる」と同氏は付け加えた。
この研究によると、イベリア半島南部ではとりわけ紀元前4000年ごろから人骨を加工する習慣が一般的になったが、その理由は定かではない。
「同じ地域にある他の似たような洞窟でも、同じように加工された人骨が確認されたことが分かっている」「死者とその物理的な人骨との結びつきが、社会的な記憶の保持と伝達、そして集団の結束のための媒体となっている文化に我々は取り組んでいる」とミレラ氏は説明した。
また、人骨を加工した人々は、その骨が誰のものであったかを知っていた可能性もあるという。
「人骨に施された加工は、死後長い年月が経ってから行われたものではない」として、ミレラ氏は「可能性はある」と述べている。
研究結果は9月20日、科学雑誌「プロス・ワン」に掲載された。