絶滅危惧種のスマトラサイに赤ちゃん誕生 インドネシア
(CNN) インドネシアの国立公園で、深刻な絶滅の危機に瀕(ひん)しているスマトラサイの赤ちゃんが誕生した。現地のメスのサイ「ラトゥ」と、米オハイオ州シンシナティ動物園から来たオスの「アンダラス」の間に赤ちゃんが誕生したのは3頭目だった。
インドネシア環境森林省によると、メスの赤ちゃんはスマトラ島南部のワイカンバス国立公園で9月30日に生まれた。
赤ちゃんの体重は約27キロ。黒い毛に覆われ、母サイの隣で目をパッチリさせた写真が公開されている。
母親の隣を歩くスマトラサイの赤ちゃん=9月30日、インドネシア・スマトラ島南部ランプン州の国立公園/Antara Foto/Reuters
自然出産で生まれた赤ちゃんは、誕生から45分以内に立ち上がり、4時間以内に母サイの乳を飲み始めた。
保護団体によれば、スマトラサイはかつて東南アジア各国に多数生息していたが、今では生息地が分断されてインドネシアに残る個体は80頭を切った。密猟や生息地の減少によって絶滅の危機にさらされており、隣国マレーシアでは2019年に絶滅した。
スマトラサイは世界で最も小さいサイの仲間で、立った時の体高は約1.5メートル、体長は平均2.5メートル前後。サイの中では絶滅したケブカサイに最も近く、長い毛に覆われている。