アラスカ周辺のズワイガニ、数十億匹が姿消す 海水温上昇に起因と科学者ら

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アラスカ州漁業科学センターに集められた脱皮したズワイガニの殻や甲羅/Joshua A. Bickel/AP

アラスカ州漁業科学センターに集められた脱皮したズワイガニの殻や甲羅/Joshua A. Bickel/AP

(CNN) 米アラスカ州周辺の海では近年、数十億匹のズワイガニが姿を消している。科学者らは、海水温の上昇がズワイガニの餓死を引き起こしている公算が大きいとみている。

当該の研究は19日、米海洋大気局(NOAA)の科学者らが発表した。ベーリング海東部における最近の海洋熱波とズワイガニの突然の消失には著しい相関があることが分かったという。ズワイガニが姿を消している事態は、2021年の調査以降明らかになっている。

研究公表の数日前には、アラスカ州魚類鳥獣部がズワイガニ漁シーズンの2年連続での中止を発表。圧倒的な数のズワイガニが姿を消した現状を理由に挙げた。生息地のベーリング海は、通常であれば酷寒の海として知られる。

アラスカ州でのズワイガニ漁が初めて中止となった昨年、漁師らはカニの減少の原因が乱獲にあるとみていた。

研究者らは20年に始まったズワイガニ消失を引き起こした可能性のある要因を分析し、生息地の移動と大量死の二つに絞り込んだ。

今回の研究の論文著者でNOAAの漁業生物学者、コディー・シュワルスキー氏によると、研究チームはベーリング海北部の海のより深い層を調べ、最終的な結論を下した。それはズワイガニが移動した公算は小さく、大量死が個体の消失の主要な引き金になったというものだった。

その上で、海水温の上昇と個体同士の密集した生息環境とが、成長したズワイガニの高い死亡率との間に著しい相関関係を有していることを突き止めた。具体的には、カニたちの大量死の理由は飢えだという。

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