ゼロカロリー甘味料で血栓リスク2倍超、心臓発作のリスク増大 米研究

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人工甘味料エリスリトールを含む飲料を摂取すると血栓のリスクが2倍以上に上昇することがわかった/HandmadePictures/iStockphoto/Getty Images/iStockphoto

人工甘味料エリスリトールを含む飲料を摂取すると血栓のリスクが2倍以上に上昇することがわかった/HandmadePictures/iStockphoto/Getty Images/iStockphoto

(CNN) カロリーゼロや糖質ゼロの製品に使われる人工甘味料のエリスリトールが入った飲料を摂取すると、健康な人でも血栓リスクが2倍以上になるという研究結果が8日の学術誌に発表された。

エリスリトールはステビアやモンクフルーツ(ラカンカ)といった甘味料の増量に使われている。これまでの研究でも、脳卒中や心臓発作、死亡リスク増大との関係が指摘されていた。

この研究は米クリーブランドクリニック・ラーナー研究所が実施。健康な被験者10人にエリスリトール含有の飲料を飲んでもらい、反応を測定した結果、全員の血小板反応が上昇していた。

同じ分量のグルコース(砂糖)入り飲料を摂取した別の10人には血小板の反応に影響はなかった。

血栓ができて心臓に到達すれば心臓発作を引き起こし、脳に達すれば脳卒中の原因となる。論文を発表した同研究所のスタンリー・ヘイゼン氏は「グルコースは血栓に影響しない。だがエリスリトールは影響する」と断言した。

業界団体のカロリー・コントロール・カウンシルはこの研究について、「被検者の10人は、米国で許容されている飲料1杯あたりの限度のほぼ4倍という過剰な量のエリスリトールを与えられていた」と主張。エリスリトールの安全性や、糖分とカロリーを減らす効果は30年の科学で実証されていると強調している。

しかしヘイゼン氏によると、この研究に使用した飲料1杯あたりのエリスリトール含油量は30グラムで、一般的な糖質ゼロの清涼飲料水やアイスクリームなどと同程度だという。

ソルビトールやキシリトールと同様、糖アルコールのエリスリトールは多くの野菜や果物に含まれる炭水化物で、人間の体内でもグルコース代謝の副産物として少量が作られる。

人工的に大量生産されるエリスリトールは後味が残らず、血糖値の上昇を引き起こすこともない。甘さは砂糖の70%程度で、ゼロカロリーとみなされている。

ヘイゼン氏によると、「天然」ステビアやモンクフルーツなどの製品で、成分に占める含有量が最も多いのはエリスリトールだという。見た目や味が砂糖に似ていることから製菓やアイスクリームなどに使用されることもある。

「成分に『還元糖』や『糖アルコール』の表示があれば、それはエリスリトールを意味する」(ヘイゼン氏)

実験では被験者20人に一晩絶食させ、朝の採血後にエリスリトール30グラムまたは砂糖30グラムの入った飲料を飲ませて、30分後に再び採血した。

その結果、エリスリトールを摂取したグループは、1杯飲んだ後の血中エリスリトール濃度が1000倍上昇していたのに対し、グルコース入り飲料を飲んだグループは血糖値のわずかな上昇にとどまった。しかし研究チームが目を見張ったのは血小板の反応だった。

「我々は血栓がどれだけ早く血管を詰まらせたり血流を止めたりするかを測定することで、凝固の促進を確認した。心臓発作や脳卒中のモデルのようだった」(ヘイゼン氏)

今回の研究では、米国と欧州の4000人あまりの血液についても調べた。その結果、エリスリトールの濃度が最も高いグループは、心臓発作または脳卒中の確率が2倍になることが分かった。

「エリスリトールは血小板の超反応を引き起こす。わずか10%の刺激で90~100%の血栓形成が生じる」とヘイゼン氏は話している。

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