豪シドニーの海岸に数千の「黒い玉」、正体は悪臭漂う油脂の塊

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防護服を着た作業員が謎の黒い玉の除去作業を行った=10月17日、豪シドニー/David Gray/AFP/Getty Images

防護服を着た作業員が謎の黒い玉の除去作業を行った=10月17日、豪シドニー/David Gray/AFP/Getty Images

(CNN) オーストラリア南東部ニューサウスウェールズ州シドニーのビーチに先月、謎の黒い玉が多数打ち上げられた。研究チームが調査した結果、下水道で形成される油脂の塊「ファットバーグ」と判明した。

シドニーの海岸では先月、観光名所のボンダイビーチなど7カ所で、監視員らが数千個の黒い玉を発見。州環境保護当局は17日、住民らの遊泳を禁止し、玉には触らないよう警告を発した。

ニューサウスウェールズ大学(UNSW)の研究者らによると、当初は流出した原油の塊かと思われたが、さらに調査を進めた結果、ファットバーグの成分と一致することが分かった。

英バーミンガムでは2021年、重さ330トンの巨大なファットバーグが数週間にわたって下水管を詰まらせる騒ぎがあった。

だがシドニーのファットバーグは通常の油脂だけでなく、人間の排せつ物や薬品、毛髪、脂肪酸、生ごみなどが入り交じっている。

研究者らは地元局とのインタビューで「これまでにかいだことがないほどの異臭だ」「近くで泳ぐ気はしない」と話した。

州当局によると、塊は未処理の下水に由来する可能性が高いが、船から放流されたのか雨であふれたのかなど、詳しい原因は不明。成分が複雑で水中を漂った時間も長いとみられるため、解明は難航しているという。

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