レディオヘッドのトム・ヨーク公演、親パレスチナ観客の叫びで中断
(CNN) オーストラリアのメルボルンで行われたレディオヘッドのボーカル、トム・ヨークのコンサートで、親パレスチナの観客が叫び声を上げて公演を中断させる出来事があった。
SNSに投稿された動画によると、1人の観客がステージに向かってと叫び声を上げ、パレスチナ自治区ガザ地区で死者が増え続ける現状や、「イスラエルによるガザのジェノサイド(集団殺害)」を訴えた。
この観客はさらに、あの衝突を目の当たりにして「なぜ黙っていられるのか」とヨークを問い詰めている。
これに対してヨークは「ここに来て言ってみろ。ここだよ。来いよ。ステージに上がって言いたいことを言え」と応じ、「卑怯(ひきょう)者みたいにそこに突っ立ってるな。ここに来て言え」と応酬。「おい、みんなの夜を台無しにしたいのか? へえ、そうかい。じゃあまたな」と言い捨てるとステージを降りてしまった。
SNSの投稿によると、ヨークはその後ステージに戻ってレディオヘッドの1997年のヒット曲「カーマ・ポリス」を演奏した。
レディオヘッドは過去にイスラエルのテルアビブで行った公演をめぐり非難の的になったことがある。パレスチナ自治区ヨルダン川西岸や東エルサレムでのイスラエルの行為をめぐり、抗議団体が2017年、レディオヘッドにイスラエル公演のボイコットを促していた。
抗議団体は当時、公開書簡の中で「パレスチナ人は日常的に家を破壊され、土地を奪われてきた。投獄され、暴行を受け、殺害されている」と訴えた。
ヨークはこれに対して「一つの国で演奏することは、その国の政府を支持することとは違う」と反論し、音楽とは「国境を越えることであり、国境を築くことではない」と説いていた。