EU、新戦略で「食料3日分の備蓄」呼びかけ 緊張高まり受け

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商品を補充する従業員=フランス・パリ近郊の食料品店/Benoit Tessier/Reuters

商品を補充する従業員=フランス・パリ近郊の食料品店/Benoit Tessier/Reuters

(CNN) 欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会(EC)は26日、万一の事態に備えて最低3日分の食料や必需品を備蓄するよう圏内の市民に呼びかける指針を発表した。地政学上の緊張の高まりなどを受けたもので、危機意識を高めるねらいがある。

指針は18ページにわたる。ロシアによるウクライナでの戦争や地政学上の緊張の高まり、重要インフラへの工作、電子戦などを挙げて、欧州がリスクと不確実性に満ちた現実に直面していると警告している。

指針は加盟国にEUの安全保障をめぐる状況の深刻さを認識させるものとなりそうだ。

かつてなくロシアの脅威が高まっていることを受けて、欧州各国の首脳らは戦争への備えを強調するようになっている。トランプ米政権が欧州に対立的な姿勢を取り、特に北大西洋条約機構(NATO)への拠出金やウクライナでの戦争に関して考えに隔たりがあることも相まって、欧州各国は自国の軍事力強化に奔走している。

指針では、緊急時に対応できるよう実用的な対策を講じるよう市民に促している。ここには最低3日分の生活必需品の備蓄が含まれる。指針は「激しい混乱が生じた場合、初期段階が最も重要」と指摘している。

全体的に指針は市民に自立と精神面での忍耐強さを養うよう促しており、学校のカリキュラムに「備え」についての授業を導入することも提案している。具体的には誤情報や情報操作に対抗するスキルを教えることなどを挙げている。

ECのフォンデアライエン委員長は声明で「欧州が新たな現実に対応するには、新段階の準備が必要」と指摘し、危機を未然に防ぎ、有事の際に迅速に対応するための適切なツールが求められているとの認識を示した。

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