シベリア永久凍土に巨大陥没穴が続々、地面破裂の謎に迫る

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陥没穴を調査する科学者=2014年11月、ヤマル半島/Vladimir Pushkare/Russian Centre of Arctic Exploration/AFP/Getty Images

陥没穴を調査する科学者=2014年11月、ヤマル半島/Vladimir Pushkare/Russian Centre of Arctic Exploration/AFP/Getty Images

爆発が起きるまでに、こうした永久凍土の融解とメタンの作用が何十年も続くこともある。

これは「この地域特有の」プロセスだと、論文を発表したケンブリッジ大学のアナ・モルガド氏は解説している。

ただ、この説で謎が解けたとは思えないという研究者もいる。

ロシアのスコルコボ科学技術研究所のエフゲニー・チュビリン氏は、長年陥没穴の調査を続けてきた立場から、この地域特有の現象だとする見解には否定的だった。

チュビリン氏によると、シベリア北西部の永久凍土は、氷とメタンの両方が異常に多く、土壌の表層の水が、氷の密集するこの厚い層を抜けて地中の深い場所にあるクライオペグに到達するのは難しいと思われる。

今回発表された説は「まだ一般的すぎる」とチュビリン氏は言い、この地域の複雑性が考慮されていないと語った。

同氏自身は、永久凍土の上層の中の空洞にメタンガスがたまり、圧力が高まって爆発するという説に着目している。

しかしこのプロセスが進む謎を解明するためには、さらなる研究が必要だとチュビリン氏は話す。

ハワイ大学のローレン・シュルマイヤー氏も、今回の研究は論理的には筋が通るものの、まだ「陥没穴の潜在的なガス発生源はたくさんある」と指摘した。

それでも陥没穴の形成に気候変動が関係しており、今後もそうした爆発でできた陥没穴が増える可能性があるという見解では、ほとんどの研究者が一致している。

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