水中写真家コンテスト、息をのむ写真の数々 大賞はザトウクジラ母子の絆を撮影
(CNN) 2025年水中写真家コンテストの主催者は21日、スペイン人写真家のアルバロ・エレーロ氏が大賞に選出されたと明らかにした。受賞作はザトウクジラの母親と生まれたばかりの子どもの関係を捉えた1枚。
エレーロ氏は「光り輝く絆」と名付けられたこの写真を、フランス領ポリネシアで撮影した。
エレーロ氏は声明で「母親は水面まで子どもに付き添っている。赤ちゃんクジラはまだとても小さく、ぎこちないためだ」と説明。「子どもは水中でわずかに泡を出しており、まだ水中で正しく息を止める方法を学んでいる途中だとみられる。私にとって、この写真はまさに母親の愛情を示すもの、私たちの海に生きる生命の美しさと儚(はかな)さを伝えるものだ」と指摘した。
今年のコンテストでは、この写真が6750件を超える応募作品を退けて大賞に輝いた。
コンテスト審査員のピーター・ローランズ氏は声明で受賞作について、「繊細でありながら力強い母子の絆を捉えたもので、私たちの世界の素晴らしさを余すことなく物語っている」と評した。
そのうえで「私たちは課題に直面しているが、ザトウクジラの個体数は世界各地で増加しており、何が実現可能かを示している」と言い添えた。
他部門の受賞作品には、オスのコブダイ2匹の争いを捉えた中野駿介氏の写真や、クウェートの写真家アブドゥルアジズ・サレハ氏が水中から撮影した砂漠で水を飲むラクダの写真などがある。
このコンテストは1965年に初めて開催され、今年は13のカテゴリーに応募作が寄せられた。
2024年には、グリーンランド東部沖の浅瀬に沈むミンククジラの骨を捉えた写真が評価され、アレックス・ドーソン氏が大賞に輝いていた。