米MIT、魚ロボットを開発 海洋生物の秘密解明に期待
サンフランシスコ(CNNMoney) 「Sofi」は他の魚とは似ても似つかないが、魚はそれに気づく様子もない――。米マサチューセッツ工科大のコンピューター科学・人工知能研究所(CSAIL)がこのほど、そんな魚ロボットを開発した。
Sofiは青白く大型で、尾を左右に動かす。水中で他の魚と並んで自然に泳ぎ、不審の念をかき立てたり生息域をかく乱したりすることなく観察できるように設計されている。
カメラを使って周囲の魚の行動を記録することも可能だ。
CSAILの責任者ダニエラ・ルス氏はSofiについて、「海洋生物に影響を与えないような装置を備えており、生物にとって脅威でも異質でもない。誰も想像しないような奇跡的な瞬間を捉えることができるかもしれない」と説明。水中の現象に対する理解促進につながると期待を寄せている。
研究チームは試験遊泳にあたり、Sofiをフィジーのサンゴ礁に連れていった。動きについては、ダイバーが防水加工を施したゲームコントローラーを使い、約9.7メートル離れた位置から指示を出した。
Sofiはこれまでのところ他の魚の動きに影響を与えていない模様だ。ルス氏によると、「優雅かつ機敏に、独立性を持って」動いているという。
Sofiの体表はシリコンラバーや柔らかいプラスチック、3Dプリンターで作った部品で構成されている。動きの指示を受ける際には、特製の音声コミュニケーションシステムを使用。静粛性の高いモーター駆動の尾により、実際の魚の素早い泳ぎのパターンや動きを模倣することが可能だ。