「スーパーフラット」で世界を席巻 村上隆氏
香港(CNN) 日本アニメの影響を取り入れた作品で知られる現代美術家、村上隆氏が15日までに香港の個展会場でCNNのインタビューに応じ、芸術概念「スーパーフラット」に代表される独特の作風などについて語った。
村上氏が芸術界の世界的スターとなったきっかけのひとつは、等身大の美少女フィギュア「Hiropon(ヒロポン)」だった。ビキニからはみ出す「巨乳」の少女像は2002年、オークションで42万7500ドルの値が付いて話題を呼んだ。
この作品は社会への風刺だったのだろうか。女性を性的対象として描くアニメ文化への批判なのか。それはまったく違うと、村上氏は話す。表現されているのは、自称「おたく」だった同氏の高校時代への賞賛だ。「当時、アニメから官能やファンタジーなど多くの要素を吸収した。そういう過程がこの作品を生み出した」という。同氏によれば、作品をつくることは本当の自分を探すことだ。
村上氏は今やアジア最先端の現代美術家のひとり、世界的な逸材と評価されている。芸術とアニメを融合させた概念「スーパーフラット」は、平面性と色使いが特徴だ。90年代にスーパーフラットで有名になった同氏は02年、デザイナーのマーク・ジェイコブス氏の誘いで、高級ブランド「ルイ・ヴィトン」の新作モチーフをデザインした。