サウジ女性が初のエベレスト登頂
(CNN) サウジアラビア人の女性が20日までに、世界最高峰エベレストの登頂に初めて成功した。アラブの登山隊の一員として挑戦していた。
この女性は、サウジの港湾都市ジッダとアラブ首長国連邦(UAE)ドバイを拠点にグラフィックデザイナーとして活動するラハ・ムハラクさん(27)。パレスチナ、イラン、カタールの登山家も参加するチームで、18日に登頂を果たした。
ムハラクさんはチームのウェブサイトに「一番乗りにこだわりはない。ただ後に続く人を勇気付けることができれば」との言葉を寄せた。
チームは、ネパールの教育プロジェクトへの寄付金100万ドル(約1億300万円)を集めることを目標に、登頂に挑戦した。同サイトの紹介文によると、伝統を重んじる保守的な家庭で育ったムハラクさんにとって、家族の説得はエベレストそのものと並ぶ難関だった。だが今は皆が応援しているという。ムハラクさんの兄弟はCNNに「ラハの登頂を誇りに思う。無事に帰ってくることを願っている」と語った。
ムハラクさんはエベレスト登頂に備え、何カ月も前から準備を開始。今年2月にアルゼンチンの最高峰アコンカグアに登り、4月からは体を高度に慣らすためネパールに滞在していた。
サウジアラビア政府は昨年初めて五輪に女性選手を送り、今月から女子校での体育教育を正式に認めるなど、従来厳しく制限してきた女性のスポーツに理解を示し始めている。