ロシア政府が総支配人を解任、内紛目立つボリショイ劇場
(CNN) ロシアのメジンスキー文化相は11日までに、バレエなどで世界的に有名な国立ボリショイ劇場のアナトリー・イクサノフ総支配人を解任したと発表した。9日付の解任。現契約では任期切れまでまだ1年以上あった。
文化相は総支配人解任について、伝統と経験の維持を踏まえた文化団体の改新や変革を目指す措置の一環と説明した。
イクサノフ氏の後任の総支配人にはウラジーミル・ウリン氏が就任する。
ボリショイ劇場絡みでは今年1月、バレエ団の芸術監督セルゲイ・フィーリン氏が帰宅中、顔に硫酸をかけられる攻撃で大やけどを負う事件が発生。同事件では劇場のダンサーであるパーベル・ドミトリチェンコ氏が関与を認め、逮捕されていた。襲撃犯と逃走用車両の運転手も逮捕されていた。
ロシア地元紙はこの襲撃事件の背景にはフィーリン氏がドミトリチェンコ氏の友人だった女性ダンサーの起用を抑えたことへの不満があったなどと報じていた。
ロシア通信によると、イクサノフ氏は総支配人を13年間務め、ボリショイ劇場の近代化に着手。評価が相反する振り付け師や作曲家などを起用した他、公演をインターネットで公開するなどの措置も講じた。