イラン人ミュージシャン3人射殺、映画で注目のバンド NY
ニューヨーク(CNN) 米ニューヨークのブルックリンで11日未明、米国で活動していたイランの人気インディーズバンドのメンバー3人が、仲間だったバンドの男に射殺された。撃った男も現場で自殺した。警察が明らかにした。
被害者の1人、ソルーシュ・ファラズマンドさん(27)は、イランのインディーズ系ロックバンド「イエロー・ドッグズ」のギター奏者。同バンドはイランでイスラム法による取り締まりの目を盗んで密かに音楽活動を続けていたが、カンヌ映画祭受賞作品「ペルシャ猫を誰も知らない」のサウンドトラックを手掛けて脚光を浴びたことから、ニューヨークに移って活動を続けていた。
ファラズマンドさんは、バンドが生活と活動の拠点にしていた建物の寝室で、胸部を撃たれて死亡しているのを警察が発見。同じ建物内で、ファラズマンドさんの兄(28)と、もう1人のメンバー(35)も遺体で見つかった。ほかにイラン人のストリートアーティストが腕を撃たれたという。
警察は、3人を殺害したのはアリ・アクバル・モハマディ・ラフィエ容疑者(29)とみている。同容疑者は各階を回ってライフル銃で3人を射殺、1人を負傷させた後に、屋上で自分を撃って自殺したとみられる。
イエロー・ドッグズの代理人によると、同容疑者はロックバンド「フリー・キーズ」のメンバーで、イエロー・ドッグズとはささいないざこざから仲たがいしていたという。
イエロー・ドッグズはCNNの2009年の番組でも紹介され、メンバーたちは音楽にかける情熱や、イラン当局によるロック音楽取り締まりの実態などを語っていた。