冤罪被害者の元ボクサー、ルービン・カーターさん死去
(CNN) 米国の冤罪(えんざい)事件で19年間服役した元ボクサー、ルービン・カーターさんが20日、前立腺がんの合併症のためカナダのトロントで死去した。76歳だった。冤罪被害者の支援団体関係者が明らかにした。
1960年代にプロボクサーとして活躍したが、66年にニュージャージー州で起きた事件で3人を殺害した罪に問われ、有罪判決を受けて翌年終身刑を言い渡された。
後にこの判決は覆されたものの、76年に再び有罪の判決。85年になってその判決も破棄され、19年ぶりに釈放された。検察側は88年に不服を申し立てていた。
この間にカーターさんを支援する運動が盛り上がり、米歌手ボブ・ディランさんがカーターさんの無実を訴える歌を発表したほか、プロボクサーのモハメド・アリさん、米俳優のバート・レイノルズさんらも支援した。
カーターさん自身も釈放後は冤罪被害者の支援活動にかかわり、93年から04年まで支援団体の初代代表を務めた。
本人が獄中で執筆した自伝をはじめ、カーターさんを題材にした書籍も多数出版された。1999年には映画にもなり、主演のデンゼル・ワシントンさんはアカデミー賞にノミネートされた。