W杯決勝、バチカン現法王と前法王の出身国の激突
(CNN) サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会の決勝はアルゼンチン対ドイツの組み合わせとなり、きしくもローマ・カトリック教会の現法王と前法王の出身国の激突となった。
2人は共に、スポーツには楽しみや試合結果にとどまらない意味合いがあるとの考えを共有。前法王のドイツ人のベネディクト16世は2008年、「サッカーは正直さ、結束や兄弟愛の理念の価値を教育する手段にもなり、若い世代には特にそうだ」との見解をイタリア紙に語ったことがある。
フランシスコ現法王はサッカーファンとして知られる。しかし、自らの立場を考慮してか、今回のW杯を迎えるに当たり、優勝候補の一角とされる母国アルゼンチンの躍進のために祈りを捧げるようなことはしないとの考えを示していた。
ただ、今月7日に同法王と面会した、カトリック教聖職者による性的虐待の被害者である英国人は別の見方を紹介した。この英国人は米紙ボストン・グローブに「法王は間違いなくアルゼンチンの勝利を願っている」と指摘。
「言葉では表さなかったものの、法王の目を見ればそれがわかった」とし、「(アルゼンチン代表チームの)隠れファン」と断言した。
アルゼンチンは今月初旬、W杯の決勝トーナメント1回戦でスイスと対戦、1-0で辛勝した。フランシスコ法王はこの試合前、法王の身辺警護などを担うスイス人警護要員に「戦争だ!」の冗談を飛ばしたという。
ローマ法王庁の報道担当者は10日、法王が決勝戦をテレビ観戦するなどの予定はないとしながらも、最終決定ではないとの含みを残した。