苦戦するゴルフ業界、3つの要因とは
金融危機が始まる前、ゴルフはビジネス人脈を作る手段として欠かせなかった。だが、景気後退後、「リンクトイン」のようなビジネス向け交流サイト(SNS)が普及する中、ゴルフを通じた人脈作りは若い世代から古臭いと思われるようになった。ゴルフはもっぱら旧世代の白人男性のためのスポーツだという印象が、拭いがたく定着してしまったのである。
実際、ゴルフの聖地とも称される英国セントアンドルーズにある伝統のゴルフクラブ「ザ・ロイヤル・アンド・エンシャント・ゴルフクラブ」が女性会員を認めたのは、今月になってからだ。
問題の一端は、インターネット上での販売に対応し切れていないゴルフ用品店にもある。こう語るのはロンドンにあるスポーツ広告代理店シナジー社の最高経営責任者(CEO)、ティム・クロウ氏だ。
顧客がオンラインに流出する中、既存のゴルフ用品点は苦戦を強いられている。米大手スポーツ用品小売チェーン・ディックスポーツ(DKS)は7月、ゴルフ部門で400人の人員削減を行った。近年のゴルフ用品店には高額なスポーツウエアが並ぶばかりで、肝心の客足は途絶えてしまっているのが現状だ。
クロウ氏は「今のシステムはいくらなんでも過剰だ」と述べ、需要に見合った規模に落ち着くためにはゴルフ業界全体が15~20%縮小する必要があるとの厳しい予想を示した。