民族融和を担うウイグルのプリンセス、中国当局がアニメ企画
(CNN) 中国北西部の新疆ウイグル自治区で続くウイグル族と漢族の対立を文化面から和らげようと、当局がウイグル族のプリンセスを主人公にした3Dアニメーション「天香公主」の制作に乗り出した。
主人公はウイグル族のプリンセス、イパル・ハン。18世紀の清朝の乾隆帝が、新疆ウイグル自治区のカシガルに住む少女の美しさと甘い香りに魅せられ、2人は恋に落ちて少女が乾隆帝の妻になったという伝説を題材にしている。
新疆ウイグル自治区の当局は、民族間の調和を図り、ウイグル族の伝説の認知度を高めるキャンペーンの一環としてこのプロジェクトを企画。制作は深センの企業が手がけ、2015年にテレビ番組を放映、翌年には映画化する予定だ。
制作会社の幹部は主人公の少女について、「文化を横断する対話に貢献してきた存在」と指摘する。今年6月には新疆を訪れて自然の美しさと豊かな文化に感銘を受けたといい、「この文化の普及を手助けしたい」と意気込む。
ただ、ウイグル族と漢族の両方の視聴者の心をつかむためには困難も予想される。
中国の英字紙グローバル・タイムズによれば、主題歌の作曲者を選ぶだけでも1年以上を要した。両方の民族の伝統に詳しい作曲家がなかなか見つからなかったという。