30代のシェークスピア? 英歴史家が肖像画を「発見」
(CNN) 英国の研究者がこのほど、1598年の植物図鑑の表紙に描かれた人物がシェークスピアだったことが分かったと発表した。英誌「カントリーライフ」が画期的な発見として最新号に掲載した。ただし、専門家からは疑問の声があがっている。
この説を発表したのは植物学者で歴史家のマーク・グリフィス氏。もし正しければ、生前に描かれたシェークスピアの肖像画の発見は初めてとなる。これまでに確認されている2点の肖像画は、いずれも1616年の死後に描かれたものだった。
有名なのは1623年の戯曲集「ファースト・フォリオ」に描かれた肖像で、前頭部がはげた姿をしている。もう1点は出身地ストラトフォードアポンエイボンの教会にある。
一方、グリフィス氏が発見したという植物図鑑「ハーボール」には、30代前半ごろとみられる姿が描かれている。当時のシェークスピアは既に「リチャード3世」「ヘンリー4世」などイングランド王を題材にした戯曲を次々に発表していた。
グリフィス氏はエリザベス朝時代の暗号を解き、ハーボールに描かれた4人の男性のうち3人の人物を特定。4人目については時間がかかったが、植物の種類などを手がかりに、この人物はシェークスピアに間違いないと断定した。
ただし専門家は同氏の説に疑問を投げかけている。バーミンガム大学シェークスピア研究所長のマイケル・ドブソン教授は、「現時点でこれがシェークスピアだと考えられる証拠はない」と言い切った。