ファンがコート内で「自撮り」を要求 フェデラーが苦言
(CNN) 24日に行われたテニスの全仏オープン・男子シングルス1回戦、ロジャー・フェデラー選手(スイス)の試合でファンの少年がセンターコート内に進入し、「自撮り」写真を撮影しようとする出来事があった。フェデラー選手は試合後、報道陣を通してセキュリティー体制に苦言を呈した。
報道によれば、進入したのは10代の少年。コートを去ろうとするフェデラー選手に近寄り、自分の腕を同選手の肩に回して自撮り写真を撮ろうとした。
今回の出来事は、フランスにおけるセキュリティー体制への懸念を改めて浮き彫りにした。同国では1月、風刺週刊紙シャルリー・エブドの本社が襲撃され11人が死亡する事件が起きている。
フェデラー選手は試合後、報道陣に対し、「不快だった。少しもうれしいとは感じなかった」と話した。前日の練習中にも子どもたちが同様の行為に及んでいたという。
同選手はまた、「早急に何か対策を立てるべきだ。普段は自分のことしか話さないが、こういう状況では全選手を代表して発言しなくてはならない。安全なところで仕事をしたいと思うのは当然だろう」と訴え、セキュリティーの改善を強く求めた。
大会主催者は記者会見を開き、シャルリー・エブド事件以来、セキュリティー対策は強化されてきたと強調。「我々はミスを犯した。再発防止に努める。ただセキュリティー体制を変更する理由はない。見通しが甘かっただけだ」と説明した。
全仏オープンを巡っては、2013年の決勝でも、試合前に抗議者がコートに進入。たいまつを持って走り回り、セキュリティー関係者に取り押さえられる騒ぎがあった。