ロシア、「国ぐるみのドーピング」か リオ五輪出場停止も
(CNN) ロシア陸上界のドーピング問題を調査していた独立委員会は9日、国ぐるみの組織的なドーピングがあったとする報告書を発表した。来年のリオデジャネイロ五輪でロシアの陸上選手が出場停止となる可能性もある。
今回の調査は世界反ドーピング機関(WADA)が、パウンド元WADA委員長を責任者とする独立委員会に委託したもの。パウンド氏は9日の記者会見で、「ロシアのスポーツ界ではあらゆる層に不正の文化が深く根付いていることが分かった」と述べた。国を挙げたドーピングといえるかとの質問には、「国が了解していたという意味でそれ以外の結論はない」と答えた。
報告書によると、モスクワの研究所では、ドーピング検査の検体を保存するよう求めたWADAの要請にもかかわらず、1400件以上の検体が「意図的に、悪意を持って」廃棄されていた。
報告書はまた、2012年のロンドン五輪で「出場するべきでない選手が出場を認められた」ことは、ある意味で破壊工作に相当すると非難した。ロシアは同五輪で24個の金メダルを獲得した。
報告書では国際陸上競技連盟(IAAF)の「不可解な放任姿勢」にも批判の矛先を向け、ロシア人選手5人とコーチ5人の永久追放処分を求めた。
この中には、ロンドン五輪の女子800メートル金メダリストのマリヤ・サビノワ選手、銅メダリストのエカテリーナ・ポイストゴワ選手らが含まれている。
報告書が指摘した「汚職と賄賂の横行」については、国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)にも証拠が送られたという。