ロシア、「国ぐるみのドーピング」か リオ五輪出場停止も
一方、ロシアの国営RIAノーボスチ通信によると、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)は独立委員会の報告を「プロ意識に欠けた、非論理的で一方的な」内容だと批判した。
ロシアのムトコ・スポーツ相も国営テレビ、ロシア24とのインタビューで、同国のドーピング対策は万全だと主張。検体の処分は「WADAの主導」で行われたとも語った。
パウンド氏は会見で、「リオ五輪についてはロシアの出場資格停止を勧告する」「我々としてはロシア側が自主的に是正措置を取ることを望むが、そうでない場合は今後の展開に任せるしかなく、結果としてロシアの陸上チームはリオへ行けなくなるかもしれない」と述べた。
これを受けてIAAFはただちに声明を発表し、コー会長が全ロシア陸上競技連盟(ARAF)に対する制裁の検討を開始するよう指示を出したことを明らかにした。コー氏はまた、IAAF自体のドーピング対策に欠陥があるなら是正すると約束。「我々はクリーンな選手を守り、信頼を取り戻すために全力を尽くす」と表明した。
コー氏はARAFに対し、ドーピング問題への回答を12日までに提出するよう要請したという。この回答を受けてIAAFが13日に会合を開き、制裁の可能性を検討する予定だ。
IAAFのディアク前会長はロシア選手のドーピング違反を隠蔽(いんぺい)した疑いで、現在フランス検察の取り調べを受けている。
国際オリンピック委員会(IOC)は9日、ディアク氏の名誉委員資格を停止すると発表。パウンド氏の報告には「衝撃」と「深い悲しみ」を表明するとともに、コー氏が率いるIAAF新指導部の対応を信頼していると強調した。