美術館から盗まれたゴッホの絵画2点発見、伊マフィアの家で
(CNN) イタリアの検察当局は1日までに、オランダ・アムステルダムのゴッホ美術館から2002年12月に強奪されていた絵画2点が伊ナポリ近郊の村落にあるマフィア関係者所有のアパート内で発見されたと発表した。
見付かったのは「スヘフェニンゲンの海の眺め」(1882年)と「ヌエネンの教会から出る人々」(1884~85年)。油絵の2作品を「世界の盗難芸術品10選」に含めていた米連邦捜査局(FBI)は2005年の時点で、その評価額は総額で計3000万ドルとしていた。
伊検察当局によると、同国南部に根城がある集団犯罪組織「カモッラ」に属する国際麻薬密輸組織への大規模捜査を進めている際、アパート地下で布地に包まれている2点を見付けたという。このアパートの持ち主は富豪で麻薬取引の元締めともされるラファエル・インペリアル容疑者。
同容疑者は中東アラブ首長国連邦(UAE)に逃亡中とされ、伊当局は身柄送還を要請した。伊国内での捜査の一環としてアパート、別荘や航空機など推定で2230万ドル相当の物件を押収したという。
ゴッホ関連の800作品を保管するゴッホ美術館は今回の発見を強く歓迎。鑑定家の調べで、本物であることを確認したという。2作品には軽微な損傷が見付かったが、保存状態は良好だという。「スヘフェニンゲンの海の眺め」などが同美術館に返還される時期は伝えられていない。
2作品が強奪された後、どのような経緯でマフィア関係者のアパートに隠されていたのかは不明。