英俳優ロジャー・ムーアさん死去、８９歳　「００７」ボンド役

（ＣＮＮ） 映画「００７」シリーズ７本でジェームズ・ボンドを演じた英俳優のロジャー・ムーアさんが、がんのため死去した。８９歳だった。家族が２３日、ムーアさんの公式ツイッターで明らかにした。

葬儀は本人の遺志に従って、モナコで身内のみで営まれる。

ムーアさんはボンド役をショーン・コネリーさんから引き継ぎ、１９７３年から８５年まで７本の００７シリーズに出演した。

警察官の息子としてロンドンに生まれ、ハイスクールを中退して英映画会社でアニメーション制作に携わるようになった。１９４５年に無名の脇役で映画に出演したのを皮切りに、テレビでも活躍するようになり、６２～６９年の人気テレビシリーズ「セイント　天国野郎」で主演。４６歳の時にボンド役に抜擢（ばってき）された。

２０１４年のＮＰＲのインタビューでは、自身が演じたボンドについて、最もユーモアにあふれていたと振り返り、「私はコミカルな恋人役的で、それに比べればショーン（・コネリー）や今のダニエル・クレイグはまるで殺し屋だ。自分がダニエル・クレイグの悪口を言ったとしたら、暗い夜に彼と遭遇したくはない」と冗談めかして話していた。

私生活では４人の女性と結婚。１９９３年に前立腺がんと診断されていた。国連児童基金（ユニセフ）の活動にも尽力した。