FOXニュース、創業時の看板降ろす 「公平で偏らない」
ニューヨーク(CNNMoney) 米保守系ニュース専門局FOXニュースが昨年夏以降、創業時代からのスローガン「公平で偏らない(Fair and Balanced)」を使わなくなっていたことが15日までに分かった。同局の創業者で最高経営責任者(CEO)も務めたロジャー・エイルズ氏の時代から前進しようという取り組みの一環とみられる。
その代わり、同局のプロデューサーらはもう1つのスローガン「最も視聴されている。最も信頼されている」を使うよう求められている。視聴率については確かに、FOXニュースは、ニュース専門ケーブルテレビ局としてはトップクラスの視聴率を維持している。関係者によれば、近いうちに別の新しいスローガンが使われる可能性もあるという。
エイルズ氏は1996年のFOXニュース立ち上げの前後に旧スローガンを考案した。このスローガンは決意表明と言うよりは、大手報道機関のいわゆる「リベラル偏向」への懸念を強めていた人々へのメッセージだった。「リベラルでない米国人のための代替手段がある」と訴えているようだった。
エイルズ氏は昨年、セクハラ疑惑を受けて退任。先月、77歳でこの世を去った。
今回のニュースを最初に伝えたのは、エイルズ氏の伝記の著書であるニューヨーク・マガジンのゲイブリエル・シャーマン氏。
FOXニュースの広報は、昨年8月以降、外部マーケティングやCMでこのスローガンを使っていないことを認めた。だが「番組編成や編集上の決定との関連は何もない」という。
複数の同局関係者によれば、変更に関して正式な通知は何もなかったという。