CAS、ロシア28選手の処分取り消し IOCの決定覆す
(CNN) スイスに本部を置くスポーツ仲裁裁判所(CAS)は1日、組織ぐるみのドーピング問題で国際オリンピック委員会(IOC)から五輪永久追放処分を科されたロシア選手28人の処分を取り消す裁定を下した。
2014年ソチ五輪でのドーピング違反を理由に処分を受けた選手39人がこれを不服としてCASに提訴していた。CASは違反の証拠が不十分だとして、このうち28選手の訴えを認めた。
処分の取り消しに伴い、これらの選手に関してはソチ大会での記録が再び正当なものとみなされ、今月9日に開幕する平昌(ピョンチャン)大会参加を目指すことも可能になる。
記録が回復される選手には男子クロスカントリースキーの金メダリスト、アレクサンドル・レグコフや男子スケルトンの金メダリスト、アレクサンドル・トレティアコフらが含まれる。
CASは残る11人の選手について、ドーピング違反はあったとしながらも、処罰としては五輪からの永久追放ではなく平昌大会のみの出場停止とするのが妥当との見解を示した。
これに対しIOCは、CASの裁定が「今後ドーピングと戦っていくうえで重大な打撃になりかねない」と懸念を表明。スイスの連邦裁判所に提訴する可能性を示唆した。
上記の28選手が平昌大会への参加を希望するかどうかは不明。参加を実現するには、IOCの委員による資格審査を通過する必要がある。IOCは声明で「処罰されないからといって自動的に参加資格が与えられるわけではない」と強調した。
IOCは反ドーピングの規定に対する「組織的な不正」を理由に、平昌大会へのロシア選手団としての参加を禁止している。ロシア側は違反の事実を認めていない。