米作家トム・ウルフさん死去、88歳 「虚栄の篝火」など
ニューヨーク(CNNMoney) 「虚栄の篝火(かがりび)」や「ザ・ライト・スタッフ」といったベストセラー作品で知られる米国のジャーナリスト、作家のトム・ウルフさんが死去した。88歳だった。
代理人によると、ウルフさんは感染症のため入院しており、14日に亡くなった。
バージニア州リッチモンドに生まれ育ったウルフさんはマサチューセッツ州で記者として働き始め、1962年にニューヨークへ移りニューヨーク・ヘラルド・トリビューン紙に入社。その後は同市に住み続けた。
ウルフさんは取材対象により深く関わり、従来のノンフィクションより文学的な描写を用いる「ニュー・ジャーナリズム」というスタイルの先駆者として知られる。
合成麻薬LSDを広めるツアーを行った米国のサイケデリック集団を追った「クール・クールLSD交感テスト」や、米国初の有人宇宙飛行計画「マーキュリー計画」を題材とした「ザ・ライト・スタッフ」は、ノンフィクションの革新的な作品として注目された。
その後はフィクションの第1作として80年代のニューヨークを舞台にした「虚栄の篝火」を執筆。84年から85年にかけローリングストーン誌に連載したこの作品は、87年に単行本化された。
ニューヨークの社交界でも中心的な存在だったウルフさん。白い三つ揃えのスーツという出で立ちがトレードマークだった。