猛暑の東京、2年後の五輪に向けIOCも「暑さ対策」
(CNN) 2020年のオリンピック開幕が2年後に迫った東京で、猛烈な暑さが続いている。
日本では7月初旬以来、各地で熱中症による死者が相次ぎ、21日だけでも11人が死亡した。
気温は平年を約11度上回り、埼玉県熊谷市では41度を超えた。
これを受けて国際オリンピック委員会(IOC)は、選手や観客、大会運営に当たる職員らを守るための具体的な暑さ対策を計画していると説明。IOC広報は、「その第一段階は既に、競技日程に反映されている」とコメントした。
オープンエアの新国立競技場で開かれる陸上競技は、朝と夕刻に行われることになった。
マラソンは男子・女子とも午前10時までに競技を終え、トライアスロンや屋外の水泳も正午までに終わらせる。
それでもこれほどの猛暑が選手に与える影響については懸念が残る。
東京大学の横張真教授は今年に入って発表した論文の中で、東京オリンピックのマラソンについて、マラソン史上最悪級のコンディションで行われることになりかねないと述べ、これほどの暑さと湿度の中では決して走るべきではない、と指摘している。
予想されるマラソンコースについては、晴天の日は「危険」あるいは「極めて危険」と位置付けた。
リスク低減のため、コース周辺には木陰をつくるための街路樹が植えられ、観客の暑さ対策としてミスト散布技術も導入される。
それでも、1984年のロサンゼルス五輪でフラフラになりながらゴールにたどりついた女子マラソンのガブリエラ・アンデルセン選手や、トライアスロンのアリステア・ブラウンリー選手が2016年にカリブ海のコスメル島で開かれた大会で倒れかけたような光景を目の当たりにする恐れもある。