「クレージー・リッチ!」、中国本土で公開も初週は惨敗
香港(CNN Business) 全てのキャストにアジア系俳優を起用した米ハリウッドの人気コメディー映画「クレイジー・リッチ!」が、このほど中国本土で公開された。公開後初となる週末の興行収入は120万ドル(約1億3600万円)に届かず、期待を大きく裏切る結果となった。
シンガポール華僑の裕福な暮らしぶりを描いた「クレイジー・リッチ!」は、全米で公開されて大ヒットを記録したが、中国本土では思わぬ不振に陥った。先月初めに公開初週の興行収入で1億1100万ドルをたたき出したスーパーヒーロー映画「ヴェノム」と比較すれば、その差は歴然だ。
「クレイジー・リッチ!」の制作サイドは世界2位の規模を抱える中国市場での成功に期待をかけていたものの、専門家からは作品に登場する華僑が中国本土で共感を呼ぶのかどうかについて、当初から懐疑的な見方が出ていた。
また中国当局からの上映許可が下りるのに時間がかかったことも不利に働いた可能性がある。中国本土での公開は米国や台湾、香港、シンガポールよりも3カ月以上遅れた。配給元の米ワーナー・ブラザースはすでに他国でのDVD発売やストリーミングでの配信を開始しており、ネットに精通した中国の映画ファンならオンライン上で作品を視聴できる状況だったと考えられる。
今夏、米国をはじめとする各国で公開された「クレイジー・リッチ!」はこれまで世界興収2億3800万ドルを記録。ワーナー・ブラザースでは、上海を主要な舞台とした続編の構想が早くも進んでいる。