米巡洋艦、係争の南シナ海航行 米中首脳会談前
ワシントン(CNN) 米太平洋艦隊は2日までに、誘導ミサイル巡洋艦「チャンセラーズビル」が中国とベトナムなどの領有権論争がくすぶる南シナ海のパラセル(西沙)諸島近くを航行したと明らかにした。
今回の航行は先月26日に実施され、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議での米中首脳会談の開催をにらんだ形ともなった。
同艦隊の報道担当者は声明で、中国に言及し、過度な海洋上の権利の主張に反論するためパラセル諸島近くを航行したと指摘。国際法に統治される航路の利用権を維持するのが狙いともした。
また、米軍が南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島やパラセル諸島での中国の軍事拠点化の動きに対抗して続ける「航行の自由作戦」の一環とした。
米政府当局者によると、チャンセラーズビルによる作戦遂行に伴い中国船舶が追跡を続けた。ただ、チャンセラーズビルと中国船との接触は全て安全で職業軍人としての国際的な規範に準じた手法で進められたとした。
G20開幕を前にした11月下旬、中国は友好的な対応策として米空母「ロナルド・レーガン」やその戦闘艦船群の香港寄港を許可。2カ月前には米海軍の同様の寄港申請をはねつけてもいた。11月に香港に立ち寄った米軍艦船にはチャンセラーズビルも含まれていた。