中国艦船、米軍艦に異常接近 「航行の自由」作戦中
(CNN) 中国が実効支配する南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島付近で中国軍の艦船が米軍艦に異常接近していたことが2日までに分かった。米国防当局者らが明らかにした。
米海軍の駆逐艦「ディケーター」は30日、米軍が展開する「航行の自由」作戦の一環として、南沙諸島から12カイリ以内の海域を通過していた。
米太平洋艦隊の報道官がCNNに語ったところによると、中国の駆逐艦「旅洋」は同諸島のガベン礁付近で、ディケーターの前方約41メートルまで接近。ディケーターに対して退去するよう警告を発し、攻撃的な動きを繰り返した。ディケーター側は衝突を避ける操作を強いられたという。
同報道官は、米軍が今後も国際法で認められた空域、海域へ航空機や艦艇を派遣する「航行の自由」作戦を続けると述べた。
これまで同作戦に対し、中国軍の艦船が追跡などの措置で対抗することは多かったが、通常は安全とみなされる範囲にとどまっていた。
専門家によると、軍艦同士の距離は約900メートルを下回れば危険とみなされる。方向やスピードの修正が必要となり、少しでも計算を誤れば衝突する恐れがあるという。
米中は通商、安全保障面などで対立を深めている。米当局者2人がCNNに語ったところによると、米国のマティス国防長官は今月中に中国を訪問し、安全保障問題を協議する予定だったが、先週末までに中止を決めたという。