米検察、ベゾス氏めぐるタブロイド紙報道で捜査
ニューヨーク(CNN Business) 米アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)をめぐるタブロイド紙ナショナル・エンクワイアラーの報道について、米連邦検察が捜査していることが分かった。事情に詳しい情報筋2人が8日、CNNに明かした。
エンクワイアラー紙を所有するアメリカン・メディア・インク(AMI)のデビッド・ペッカーCEOとディラン・ハワード最高コンテンツ責任者(CCO)は昨年、トランプ大統領と関係を持ったと主張する女性らへの口止め料支払いの件で、連邦検察に協力する代わりに訴追免除を受ける司法取引を行っていた。AMIはこの際、口止め料の支払いを認めている。
司法取引の文言では、AMIが将来「何らかの犯罪」を犯した場合、訴追対象になるとしている。情報筋によると、今回の検察の捜査には、エンクワイアラー紙による司法取引違反の有無を判断する目的があるという。
ベゾス氏は7日、「結構です、ペッカーさん」と題したブログを投稿。ペッカー氏から脅迫を受けたと主張し、裏付けとしてAMIから送られてきたとするメールの内容を公開した。
これに対し、AMIはベゾス氏に宛てた8日朝の声明で、「ベゾス氏に関する報道では合法的に行動したと強く信じている」と主張。一方で、ベゾス氏の主張を受けて取締役会を招集し、速やかに徹底調査を行う方針を決めたと明らかにした。
ただ、取締役会のメンバー4人にペッカー氏が含まれ、法律の専門家からは調査の正当性に疑問の声が上がっている。
エンクワイアラー紙はベゾス氏と交際相手ローレン・サンチェスさんの写真やテキストメッセージを入手しており、先月ベゾス氏が元妻との離婚を発表した後には交際関係を暴露する記事を出していた。
ベゾス氏はこれを受け、セキュリティー責任者に調査を指示。ベゾス氏自身の記述によると、AMIはエンクワイアラー紙の報道に「政治的な動機がある」とする調査の結論に悩み、「調査をやめなければテキストメッセージや写真をさらに公開する」と告げてきたという。