米ラッパーに禁錮2年の判決、ギャング犯罪への関与で有罪
(CNN) 米裁判所は18日、人気ラッパー「Tekashi 6ix9ine(テカシ・シックスナイン)」として活動するダニエル・ヘルナンデス被告に対し、ギャング集団による一連の凶悪犯罪にかかわった罪で禁錮2年の判決を下した。
ヘルナンデス被告は、ゆすり行為と武器及び薬物の不正取引に関して有罪を認めていた。判決には保釈後5年間監視下に置かれることや300時間の社会奉仕活動も含まれる。すでに13カ月拘留されているため、被告は来年の後半には釈放される予定。
ヘルナンデス被告は昨年11月、ギャングのメンバーとみられる複数の容疑者とともに、ゆすりをはじめとする深刻な法律違反を犯したとして起訴された。検察は法廷記録の中で、ヘルナンデス被告とギャングのメンバーらが同年3月と4月、6月にニューヨーク市内で銃撃事件を起こしたと主張した。
18日の判決で、ポール・エンゲルマイヤー判事はヘルナンデス被告について「凶悪で残忍なギャングの中心人物」だったと指摘。ニューヨークの至る所で傷害事件を起こし、ギャングを自らの「私的な殺し屋グループ」として使っていたと述べた。
一方で、捜査にきわめて協力的だった被告の姿勢を考慮して量刑に反映させたことも示唆した。被告の弁護士によれば、ヘルナンデス被告は捜査員にギャング集団の内部情報を提供。裁判では元メンバー2人に対する証言も行った。
法廷で被告は、若い世代のファンを失望させたことへの後悔の念を表明。また関連する銃撃事件で負傷し、その日証言に立っていた女性に対して直接謝罪の言葉を述べた。そのうえで、刑期を終えたら生き方を変えると強調した。
ヘルナンデス被告は、虹色の髪にフェイスタトゥーといった奇抜な風貌(ふうぼう)で知られるラッパー、Tekashi 6ix9ineの名で2017年10月公開のミュージックビデオに登場し、注目を集めた。「ガンモ」というタイトルの曲を歌ったこのビデオは動画投稿サイト「ユーチューブ」で3億6000万回再生された。
ビデオ制作時の同被告はギャングのメンバーではなかったが、判決に関する記録によると、ギャングに後ろ盾になってもらうのと引き換えに活動資金を援助するなどのつながりを持っていたという。