コービー・ブライアント氏搭乗機、悪天候下の特別許可で飛行
(CNN) 米プロバスケットボール(NBA)の元スター選手、コービー・ブライアントさんらが死亡したヘリコプター事故で、墜落したヘリは視界の悪いなか、特別な許可を得て飛行していたことが分かった。
事故の起きた26日朝、ロサンゼルス近郊カラバサスの現場周辺には濃霧が発生していた。ロサンゼルス市警の報道官によると、警察のヘリは視界不良のため運航を中止していたという。
ヘリは通常、操縦士の目視に頼る「有視界飛行方式(VFR)」で飛行するが、悪天候で視界が悪い状況では管制官に「特別有視界飛行方式(SVFR)」の適用を求め、特例として飛行許可を得ることができる。
世界各地の航空無線を配信するサイト、ライブATCの交信記録によると、墜落機の操縦士は管制官に「高度2500以下でSVFR維持」と確認していた。
操縦士はその後、管制官の指示下で飛行する「レーダー追尾」のサービスを要請したとみられ、これに対して管制官が「現在の高度では低すぎて追尾できない」と答えていた。ヘリはこの時点で低空を飛行していたため、レーダーに機影が映らなかったとも考えられる。
連邦航空局(FAA)の記録によると、操縦士は2007年に事業用免許を取得し、教官の資格も持っていた。FAAが義務付けている毎年の健康診断でも異常なしとされていた。
墜落機にはブライアントさんと次女ジアナさん、ジアナさんのチームメートと両親ら9人が搭乗し、全員が死亡した。
現場では26日夜、3人の遺体が発見された。遺体の身元は明らかでない。捜索作業は日没後、安全上の懸念から中断された。