大統領元報道官が記者として会見出席、トランプ氏に質問
(CNN) トランプ大統領の元報道官だったショーン・スパイサー氏がホワイトハウスで開かれた新型コロナウイルス対策関連の会見に記者として現れ、トランプ氏に質問を浴びせる一幕が20日にあった。
スパイサー氏は現在、米メディア「ニュースマックス」の番組に司会者として出演。元大統領報道官が会見で記者として以前に仕えた大統領に質問するのは初の事例とみられる。
トランプ氏は記者会見で、名前には触れず、「どうぞ。後ろの方?」とスパイサー氏を指さして質問を許した。最後列の席にいたスパイサー氏は新型肺炎に絡んでの中小企業対策や感染拡大で株価が暴落する前に機密情報に接する立場にいた米上院議員の保有株式の売却疑惑を質した。
トランプ氏は政府は中小企業への大きな支援策を展開していると回答。株式の売却疑惑については知らなかったなどと述べた。
スパイサー氏は記者会見の開始前、会場内で手を振るなどしてあいさつ。報道官として在任中、トランプ政権の姿勢を反映し記者団にたびたび示した敵対的な態度とはうって変わった愛想の良さだった。
報道官に就任直後にはトランプ氏の就任式典に集まった人出の規模でメディアの報道を非難。データを無視し、式典の参加者は過去最大だったと主張し、根拠なく一部の報道の写真はねつ造されたものなどとも言い切っていた。
大統領報道官を2017年7月に辞任後、スパイサー氏は式典の人出に関するメディアとの対立に触れ、本当に後悔しているとの気持ちを吐露。自らのイメージ刷新を図る活動にも積極的に取り組んできたとされる。