香港「リンゴ日報」が廃刊に、中国政府の締め付け強まる中
香港(CNN Business) 香港の民主派紙「リンゴ日報」を運営する「壱伝媒(ネクストデジタル)」は23日、24日付の新聞を最後に廃刊すると発表した。記者が逮捕され資産が凍結されるなど、事業継続が不可能な環境になったことを理由に挙げている。デジタル版も同日に運営が終了する。
廃刊の発表を受け、香港のメディア業界には衝撃が走った。香港政府は昨年、新たに導入された国家安全維持法(国安法)でメディアの自由が縮小することはないと主張していたが、その主張が崩れた形だ。
国安法は昨年、中国共産党が香港議会を介さずに施行した。政府転覆や分離、テロ、外交勢力との共謀とみなされる行為に最高終身刑を科す内容となっている。
香港の民主派紙「リンゴ日報」=2020年8月11日、香港/ISAAC LAWRENCE/AFP/AFP via Getty Images
香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は当時、メディアの自由は保護されると述べていたものの、リンゴ日報の職員は、同紙が標的にされるのは時間の問題だったと話す。
身の安全への懸念から匿名で取材に応じた記者の1人は、「これが起きた時は、やはりショックだった」と語った。