クリケットの南ア代表選手、試合前の片ひざつき拒み謝罪 「人種差別主義者ではない」と主張
(CNN) クリケットの南アフリカ代表でプレーするクイントン・デコック選手(28)は28日、ワールドカップの試合前に片ひざをつくのを拒否したことを謝罪した。片ひざをつく行為は人種差別への抗議の証しとみられているが、自分自身は「人種差別主義者ではない」と主張した。
当初デコック選手は、「個人的な判断」として、アラブ首長国連邦(UAE)で開催中のT20ワールドカップの試合前に片ひざはつかないと明言。これに先駆け、南アのクリケットの統括団体クリケット・サウスアフリカ(CSA)は、全ての選手が試合前に片ひざをつくよう求められることになると発表していた。
デコック選手は26日に行われた西インド諸島との試合には出場しなかった。その後28日に声明を出し、「あらゆる痛みや困惑、怒りを引き起こしてしまい、大変申し訳なく思う」と、チームメートや自国のファンに謝罪した。
そのうえで人種差別に立ち向かう重要性や、選手として手本を示す責任については理解していると説明。人種の入り混じった家族の下に生まれたので、自分にとって人種に関する問題は特に大切だと強調した。
しかし、選手らに片ひざをつくよう指示するというCSAの決定には、「自分の権利を奪われた」と感じたという。
「なぜ身振りで示さなくてはならないのかが理解できなかった。自分は日々生活し、学び、様々な立場の人たちに愛情をもって接している。人に何かをしろというだけできちんと話し合いをしないのでは、そこに意味はないように思える。もし私が人種差別主義者なら、簡単に片ひざをついて周囲をだませただろう。それは間違っているし、社会をよくすることにもならない」(デコック選手)
「誤解のせいで人種差別主義者と呼ばれるのは非常につらい」とも語った。