「いつか殺そうと思った」 俳優ウィル・スミスが回顧録、父の暴力を告白
(CNN) 米俳優のウィル・スミスさんが9日に出版予定の回顧録「ウィル」で、少年時代の暗い思い出や亡き父との複雑な関係を告白した。
回顧録の中でスミスさんは、父親を2面性を持つ男性として描き、「父は暴力的だったが、試合や演劇、発表会には必ずいた」「アルコール依存症だったが、私の映画のプレミア試写会では毎回しらふだった」と振り返っている。
「強烈な完璧主義が、家族を恐怖に陥れた。それと同じ完璧主義が、毎晩の食卓に食べ物を届けた」
この内容はピープル誌が抜粋して紹介した。
9歳だった当時、スミスさんは、母親が父親に側頭部を強く殴られて倒れる姿を目の当たりにした。
「母が血を吐き出すのが見えた」「あの寝室でのあの瞬間が、私の人生のどの瞬間よりも、私という人間を決定づけた」
父親は2016年、妻と離婚した約16年後に死亡した。
父が病気になった時はスミスさんが看護したが、その時でさえ、あの時の出来事が付きまとった。
「子どもの時の私は、いつか母のために仕返しをするといつも自分に言い聞かせていた。自分が大きくなって強くなり、臆病でなくなったら、きっと殺してやると」
ある時スミスさんは、父親を車椅子に乗せてトイレに行く途中、階段の上で足を止めた。暗い考えが頭をよぎった。
「父を突き落とすこともできた。そして簡単に逃げられた」「何十年もの苦痛、怒り、恨みが押し寄せ、そして引いて行った。私は頭を振り、また父の車椅子を押してトイレに向かった」
スミスさんは現在、米各地を訪れて出版記念講演ツアーを行っている。